パソコンで困ったこと #01

【実録】Macで暗号化した外付けSSDが開けない。無料ツールで約129GBを救出した方法とコマンド

パスワードは合っているのに、ロックを解除できない。原因はSSDの一部が読めなくなったことでした。macOS標準のコマンドで状態を調べ、オープンソースの libfsapfs を使って、SSDに一切書き込まずにファイルを取り出した記録です。使ったツールは無料で公開しています。

動作確認:2026年10月29日 / macOS 27.0.1・Apple シリコン

まず結論

37,166

救出したファイル

約129GB

救出したデータ量

7件

未救出のファイル

0円

有料ソフト・追加購入

  • 原因はパスワードではなく、SSDの一部のブロックが読めなくなったことでした。macOS は暗号の鍵情報までたどり着けず、ロックを解除できなくなっていました。
  • macOS の仕組みを使わずに APFS を読む libfsapfs で、SSDを読み取り専用で開き、パスワードで解除してファイルを取り出しました。
  • 取り出したファイルは SHA-256 で照合しました。全データを完全に復旧できたわけではなく、7件は救出できませんでした。
  • 救出後にSSDを初期化し、F3 で書き込んだ約2TBの領域をすべて読み戻して、失われたデータは0でした(今後も故障しないことの保証ではありません)。
  • 同じ方法を誰でも試せるように、無料ツール APFS Rescue for Mac として GitHub で公開しています。

先に読んでください

読み取り専用でも、故障しかけたSSDへのアクセスは状態を悪化させることがあります。費用をかけてでも確実に取り戻したいデータなら、何かを試す前にデータ復旧の専門業者に相談してください。また、元のSSDに「First Aid」や消去は実行しないでください。

そのとき何が起きたか

項目内容
MacMacBook Pro(Apple シリコン)、macOS 27.0.1
SSDCrucial X10 Pro 2TB(USB接続の外付けSSD)
形式APFS。データを入れたあとで Finder から暗号化
使用量約225GB(macOS の表示)

同じ日の夕方までは、いつもどおりパスワードを入れて開けていました。ところが Mac が再起動したあとから、パスワードを入れてもロックを解除できなくなりました。

どんな症状だったか

ターミナルで暗号化ボリュームの解除ユーザーを確認すると、次のエラーが出ました。

Error getting list of cryptographic users for APFS Volume: Unable to get list of crypto users for this APFS Volume (-69552)

システムのログには「Passphrase incorrect or user does not exist(パスワードが違うか、ユーザーが存在しない)」という記録もありました。これだけを見ると、パスワードを間違えたように見えます。

状態を調べるコマンド

ここからはターミナル(「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」)でコマンドを実行します。この章のコマンドはすべて macOS 標準・読み取りのみで、SSDに書き込むことはありません。

コマンドの見方

  • 読み取りのみ ディスクに書き込まない確認用のコマンド
  • インストール ツールを入れる(元のSSDには触れない)
  • 管理者権限 sudo が必要。元のSSDは読み取り専用で開く
  • 書き込みあり ディスクに書き込む。対象を必ず確認

1. 外付けディスクの一覧を見る

読み取りのみ

diskutil list external physical

Apple_APFS と書かれた行の IDENTIFIER(例 disk4s2)を確認します。番号は Mac ごと・接続ごとに変わります。

/dev/disk4 (external, physical):
   #:                       TYPE NAME                    SIZE       IDENTIFIER
   0:      GUID_partition_scheme                        *2.0 TB     disk4
   1:         Microsoft Reserved                         16.8 MB    disk4s1
   2:                 Apple_APFS Container disk5         2.0 TB     disk4s2

2. APFS の状態を見る

読み取りのみ

diskutil apfs list

暗号化されたボリュームの名前(例 disk5s1)と、FileVault: Yes (Locked) を確認します。

+-> Volume disk5s1 XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX
    Name:                      X10 Pro (Case-insensitive)
    Mount Point:               Not Mounted
    FileVault:                 Yes (Locked)

3. 解除ユーザーを確認する(-69552 の確認)

読み取りのみ

変更する箇所: disk5s1 → 手順2で確認した自分のボリューム名

diskutil apfs listUsers disk5s1

正常なら Cryptographic user for disk5s1 (1 found) に続いて種類(Disk User など)が表示されます。筆者の場合は -69552 で失敗しました。-69552 の原因は一つではないため、次のログと合わせて判断します。

4. カーネルのログを見る

読み取りのみ

log show --last 2h --style compact --predicate 'process == "kernel" AND eventMessage CONTAINS[c] "apfs"'

直近2時間の APFS 関連のログです(2h を 1d にすると1日分)。I/O error、err 5、failed to find valid checkpoint が、同じブロック番号で繰り返し出ていないかを見ます。

5. 読み取りエラーの回数を見る

読み取りのみ

ioreg -r -c IOBlockStorageDriver -w0 -l | grep '"Statistics"'

ディスクごとの "Errors (Read)" を見ます。筆者のSSDは、接続しているだけで 266 回に達していました。増え続けている場合は、アクセスを最小限にしてください。

原因の分析と限界

ログを順番に追うと、次のことが分かりました。

  1. 同じ場所で読み取りエラー:再起動の直後から、SSDの同じブロックで I/O error(err 5)が繰り返し出ていた。
  2. チェックポイントを検証できない:APFS は最新の状態を記録した「チェックポイント」を確かめようとしたが、読み取りに失敗。古いチェックポイントも参照先がすでに上書きされていて使えなかった。
  3. 鍵情報にたどり着けない:その結果、macOS は暗号の鍵情報(keybag)の場所を見つけられず、パスワードを照合する前に失敗していた(ログに APFSVolumeListUUIDsOfUnlockRecords err=2)。
macOS と libfsapfs の読み取り経路の違い外付けSSD(APFS コンテナ)macOSlibfsapfsチェックポイントを検証読めないブロック鍵情報に届かない→ -69552チェックポイントを読む鍵情報(keybag)パスワードで解除ファイルを読み取り専用でコピー
macOS は最新のチェックポイントを検証する段階で読めないブロックに当たり、鍵情報(keybag)にたどり着けませんでした。libfsapfs はこの検証を行わずに鍵情報を読み、パスワードで解除できました(今回のケース。読めないブロックが鍵情報そのものにあれば、libfsapfs でも救出できません)。

つまり「パスワードが違う」というメッセージは、鍵情報を見つけられなかった結果として出ていたもので、パスワード自体は正しかったのです。市販の復旧ソフトのプレビュー機能では、同じパスワードでファイルの一覧を表示できました。鍵とデータの大部分はSSD上に残っていると判断しました。

分かっていないこと

SSDの一部が読めなくなった理由(SSD本体か、接続か)は特定できていません。原因の推定には、ログから読み取った事実に加えて推測が含まれます。

最初にやってはいけないこと

操作理由
ディスクユーティリティの「First Aid」、修復コマンドディスクに書き込みます。読めない部分がある状態で管理情報を書き換えると、救出に必要な情報を失うおそれがあります
消去・初期化データが消えます
何度も抜き差しする・パスワードを何度も試す接続のたびに macOS がディスクを読みにいきます
救出先を元のSSDにする元のSSDに書き込みが発生します

libfsapfs による救出

libfsapfs は、APFS の中身を自分で解釈して読むオープンソースのライブラリです。macOS がつまずいた「チェックポイントの検証」とは別の経路で、鍵情報とファイルにたどり着ける可能性があります。

無料で試せる方法を比べた結果です。条件は「元のSSDに一切書き込まない」「追加の購入をしない」「救出先は Mac の内蔵SSD(空き約557GB)」でした。

方法結果
macOS 標準(diskutil など)解除レコードが見つからず失敗。修復は書き込みを伴うため不可
The Sleuth Kitリリース版に暗号化パスワードを渡す機能がなく断念
ddrescue でまるごとイメージ化2TB分の保存先が必要で断念
apfs-fuseLinux の仮想マシンか、セキュリティ設定の変更が必要で断念
libfsapfsmacOS のまま、設定を変えずに使える。採用

救出は次の方針で進めました。

  1. 読み取り専用で開く:SSDのパーティションを O_RDONLY で開き、書き込むコードを持たない。
  2. 再試行しない:読み取りエラーは合計20回・連続3回で止める。一度読めなかった場所は二度と読みにいかない。
  3. パスワードを残さない:画面に表示せずに入力し、コマンドやログには書かない。
  4. SHA-256 で照合する:読み込みながら計算した値と、保存したファイルを読み直した値を比べる。
  5. 大事なフォルダから少しずつ:フォルダ単位で取り出し、止まっても続きから再開する。

中心になるのは、読み取り専用で開いたディスクを libfsapfs に渡し、パスワードで解除する部分です(抜粋・簡略化)。

fd = os.open("/dev/rdisk4s2", os.O_RDONLY)            # 読み取り専用。書き込みはできない
container = pyfsapfs.container()
container.open_file_object(ReadOnlySource(fd))         # read / seek だけを持つ自作のクラス
volume = container.get_volume(0)
volume.set_password(getpass.getpass())                 # パスワードは画面に表示しない
volume.unlock()

完全なソースコード(エラー処理・照合・再開・安全確認を含む)は GitHub で公開しています。

筆者の環境専用のコマンドは掲載しません

実際の救出には、筆者のSSDの製品名・容量・固有のID・フォルダ名を直接書き込んだシェルスクリプトを使いました。他の環境では動かず、書き換えを間違えると危険なため掲載しません。同じ安全策を一般化したものを、無料ツールの --device(ディスク情報の表示と、ディスク名の手入力による確認)に組み込みました。

無料ツールの導入

救出に使ったスクリプトを、ほかの人も安全に使えるように作り直したのが APFS Rescue for Mac です(MIT License)。macOS 27.0.1・Apple シリコンで動作を確認しています。

1. Python 3.10 以上を用意する

macOS に入っている python3 は 3.9 のため使えません。Homebrew を使っている場合は次のコマンドで入れます(python.org のインストーラーでも構いませんが、動作は未確認です)。

インストール

brew install python@3.12

2. ツールをダウンロードしてセットアップする

GitHub のリリースページ から apfs-rescue-for-mac-1.0.0.zip をダウンロードし、ダブルクリックで展開します。展開したフォルダが「ダウンロード」にある場合は、次の2行を実行します。

インストール

cd ~/Downloads/apfs-rescue-for-mac
./setup.sh

フォルダの中に専用の Python 環境を作り、libfsapfs-python を PyPI から入れます(改ざんがないか SHA-256 で確認します。管理者権限は不要です)。

Using Python: /opt/homebrew/bin/python3.12 (3.12.13 arm64)
Successfully installed libfsapfs-python-20260921
libfsapfs 20260921 OK

Installed. Try:  ./apfs-rescue --help

permission denied と出たら chmod +x setup.sh apfs-rescue を実行してからやり直します。

救出の手順

ディスクイメージから救出する場合の流れです。~/Desktop/disk.img は自分のイメージファイルに置き換えます。

1. 中身を確認する(パスワード不要)

読み取りのみ

変更する箇所: ~/Desktop/disk.img → 自分のイメージファイル

./apfs-rescue info ~/Desktop/disk.img
container    : offset=20480 size=1073700864 (1.07 GB)  GPT partition 1 'disk image'
volumes      : 1
  [0] name='RescueTestA'  encrypted/locked=True

2. フォルダの一覧を見る

読み取りのみ

変更する箇所: ~/Desktop/disk.img → 自分のイメージファイル

./apfs-rescue list ~/Desktop/disk.img --depth 1

パスワードを聞かれます(入力は画面に表示されません)。ファイルの中身は読まず、一覧だけを表示します。

3. 必要なフォルダを取り出す

読み取りのみ

変更する箇所: ~/Desktop/disk.img と "Documents" → 自分のイメージファイルと、手順2で見た取り出したいフォルダ名

./apfs-rescue extract ~/Desktop/disk.img --dest ~/Desktop/rescued --path "Documents"

元のディスクには書き込みません。救出先(~/Desktop/rescued)にだけ書き込みます。救出先には、取り出すデータ量 + 256MB 以上の空きが必要です。途中で止まっても、同じコマンドをもう一度実行すれば続きから再開します。

DONE rc=0 saved=8 (6.29 KB) skipped_already_ok=0 not_rescued=0 [io=0 dataless=0 ...]
=== result (all runs into this destination) ===
  saved and verified (OK) : 8 files, 6.29 KB

実物のSSDから直接読む場合

イメージを作る空き容量がない場合(筆者もそうでした)は、実物のSSDを直接読めます。ツールはディスクを自動では選びません。

管理者権限

変更する箇所: disk4s2 → diskutil list external physical で確認した Apple_APFS の行の IDENTIFIER

sudo ./apfs-rescue extract /dev/rdisk4s2 --device --dest ~/Desktop/rescued --path "Documents"

ディスクの情報が表示されたあと、確認のためディスク名の入力を求められ、次に暗号化パスワードを入力します。起動ディスク、救出先と同じディスク、マウント中のボリュームがあるディスクは拒否します。読み取りエラーは合計20回・連続3回で自動的に止まります。

救出データの検証

読み取りのみ

変更する箇所: ~/Desktop/rescued → 手順3で指定した救出先

./apfs-rescue verify --dest ~/Desktop/rescued

保存したファイルを読み直し、読み込んだときの SHA-256・サイズと一致するかを確かめます(元のSSDは読みません)。救出できなかったファイルは、_apfs_rescue/not_rescued.tsv に理由と一緒に一覧されます。

筆者の救出結果です。大事なフォルダから順に5回に分け、同じ救出先に追加していきました。数値は各回の実行ログの値です。

実行ファイル数容量(バイト)
1回目5,2928,336,917,210
2回目9551,201,991,225
3回目30,575112,703,498,745
4回目3211,293,383,255
5回目235,188,382,618
合計37,166128,724,173,053(約129GB)
  • SHA-256:1〜4回目の 37,143 件は、読み込み時の値と保存後の値を照合し、全件一致しました。
  • 救出できなかったファイル:7件。うち1件は、クラウドストレージの「クラウドのみ」の状態で、SSD上に中身がないファイル(DATALESS)でした。
  • 読み取り速度:約24MB/s(USB接続のSSDを、フォルダ単位で順に読んだ実測値)。
  • 形式の確認:PDF・JPEG・PNG・Office文書・MP4 などは、ファイルの構造が正常であることを確かめました。

使用量との差(約96GB)は、未救出の7件とは別の話です

macOS が表示していた使用量(約224.7GB)と、救出したファイルの合計(約128.7GB)には約96GBの差があります。この差には、以前に Final Cut Pro から書き出した大容量の動画が多く含まれていました。これらはすでに YouTube にアップロードしてあり、書き出した元のファイルを残しておく必要性は低かったため、救出の途中で問題に当たったとき、それ以上の救出や原因の調査は行わないと判断しました。

つまり、約96GBが「原因不明のまま救出できなかった」と確かめられたわけではなく、必要性を考えて深追いしなかった部分です。ただし、差の内訳をすべて厳密に調べたわけではありません。APFS の使用量には、ファイル本体以外の管理情報などが含まれることもあるため、「使用量 = 取り出せるファイルの合計」とは限りません。

なお、YouTube に動画が残っていても、書き出した元の高画質のファイルをそのまま取り戻せるわけではありません。大切な動画は、元のファイルも別の場所にバックアップしておくことをおすすめします。

SHA-256 で分かること・分からないこと

一致は「SSDから読めた内容」と「保存した内容」が同じことの証明です。APFS はファイルの中身のチェックサムを持たないため、SSD上で既に壊れていた中身までは検出できません。大事なファイルは実際に開いて確認しました。

SSD初期化後の F3 検証

救出したデータを確認したあと、SSDを初期化して、再利用できる状態かを確かめました。ここからは書き込みを伴う操作です。救出が終わる前には絶対に行わないでください。

ここから先はSSDのデータを消します

消去する前に、救出したデータを別の場所にもバックアップしておきます。消去はディスクユーティリティで行えます(「表示」→「すべてのデバイスを表示」→ 外付けSSDのディスク本体を選択 →「消去」)。対象のディスクを取り違えると、別のディスクのデータが消えます。名前と容量を必ず確認してください。この記事では消去をコマンドでは紹介しません。

F3(Fight Flash Fraud) は、ディスクの空き領域全体にテスト用のデータを書き込み、読み戻して壊れていないかを確かめる無料のツールです。

インストール

brew install f3

書き込みあり

変更する箇所: /Volumes/X10 Pro → 消去後のボリューム名(空白を含むので引用符で囲む)

f3write "/Volumes/X10 Pro"
f3read "/Volumes/X10 Pro"

f3write が空き領域をすべてテスト用のファイル(1.h2w など)で埋め、f3read がそれを読み戻して照合します。容量が大きいほど時間がかかります。終わったら、テスト用のファイルは削除して構いません。

筆者のSSDでの結果(2026年10月29日)

初期化した Crucial X10 Pro 2TB での f3read の結果です。

Data OK: 1.82 TB (3904897024 sectors)
Data LOST: 0.00 Bytes (0 sectors)
Corrupted: 0.00 Bytes (0 sectors)
Slightly changed: 0.00 Bytes (0 sectors)
Overwritten: 0.00 Bytes (0 sectors)
Average sequential read speed: 876.13 MB/s
(3904897024 sectors / 36'16")
項目結果
読み戻して一致したデータ(Data OK)1.82 TB(3,904,897,024 セクタ = 1,999,307,276,288 バイト)
失われた・壊れていたデータ(Data LOST)0(Corrupted・Slightly changed・Overwritten もすべて 0)
読み戻し(f3read)の時間と速度36分16秒、平均 876.13 MB/s
初期化後の First Aid正常終了(ファイルシステム検査の終了コード 0)

F3 は 1024 を単位に表示するため、製品表記の「2TB」(1000 を単位)に近い容量が 1.82 TB と表示されます。書き込み(f3write)の時間と速度は記録していません。

結果:失われたデータは0。 書き込んだ 3,904,897,024 セクタすべてを正しく読み戻せました。初期化後の First Aid も正常に終わりました。

F3 の結果で分かること・分からないこと

分かるのは「検証した時点で、書き込んだ領域をすべて正しく読み戻せた」ことです。今後も故障しないことの保証にはなりません。また、以前ブロックが読めなくなった原因(SSD本体、ケーブルや USB の接続、そのほか)は、この結果からは特定できません。再利用する場合も、大事なデータはこのSSDだけに置かず、別の場所にもバックアップしてください。

注意点と、うまくいかないとき

メッセージは英語で表示されます。よく出るものと対処です(全一覧はツールに同梱の docs/troubleshooting.md)。

表示意味と対処
could not unlock the volume (wrong password?)解除できなかった。パスワード(大文字・小文字、入力モード)を確認
REFUSED: ... is a disk device実物のディスクを指定した。意図どおりなら --device を付け、先頭に sudo
REFUSED: confirmation did not match確認のディスク名が違う。表示されたディスク名をそのまま入力
REFUSED: the destination is on the same physical disk救出先が元のSSDと同じ。Mac の内蔵SSDなど別のディスクを指定
REFUSED: a volume on the source disk is mounted元のSSDのボリュームがマウント中。ディスクユーティリティで取り出す
REFUSED: destination ... is not empty救出先に別のファイルがある。新しいフォルダ名を指定(上書きはしません)
REFUSED: this is a UDIF .dmg image などそのままでは読めない形式。表示された変換コマンドで別名の生イメージを作る
STOP: I/O error limit reached読み取りエラーが上限に達した。何度も再実行せず、別のフォルダから救出する、専門業者に相談する
STOP: destination is almost full救出先の空き不足。空きを作って同じコマンドを再実行
STOP: unexpected error ... unable to open containerAPFS の管理情報が読めない。このツールでは救出できない可能性が高い

終了コードは、0 = すべて成功、1 = 一部を救出できなかった、2 = 安全確認で中止(何も読み書きしていない)、3 = 停止(再実行で再開可)、4 = 予期しないエラー、5 = 解除できなかった、130 = Ctrl-C で中断です。

このツールでできないこと

  • 鍵情報や最新の管理情報そのものが読めない場合は救出できません(libfsapfs は古い世代のチェックポイントを選べません)。
  • クラウドにしか中身がないファイル(iCloud Drive などの「クラウドのみ」の状態)は救出できません。
  • 拡張属性・タグ・アクセス権は復元しません(更新日時は復元します)。
  • 公開版は人工的なディスクイメージで検証しました。本物の不良セクタ、クラウドのみのファイル、復旧キーでの解除は、模擬テストまたは未検証です。

教訓とまとめ

  • 「パスワードが違う」と表示されても、パスワードが原因とは限らない。 ログを見れば、どの段階で失敗しているかが分かります。
  • 修復より先に救出。 First Aid は書き込みを伴います。データを取り出して確認するまでは、元のSSDに書き込まない。
  • ツールの機能は、実際に使う版で確かめる。 The Sleuth Kit の暗号化対応は、開発版の情報とリリース版を取り違えていました。
  • 暗号化した外付けSSDだけにデータを置かない。 暗号化は大切ですが、壊れたときに取り出す手段が限られます。別の場所へのバックアップが一番の対策でした。

よくある質問

パスワードは合っているはずなのに「-69552」が出ます。

筆者のケースでは、パスワードの照合より前に、鍵情報が見つからずに失敗していました。カーネルのログに読み取りエラーが繰り返し出ていないか確認してください。ただし -69552 の原因は一つではありません。

First Aid を実行すれば直りますか?

読めない部分がある状態で修復を実行すると、ディスクに書き込みが発生し、救出に必要な情報まで失うおそれがあります。先にデータを救出し、確認してから判断することをおすすめします。

Windows や Linux でも使えますか?

このツールは macOS 向けで、macOS(Apple シリコン)でのみ確認しています。libfsapfs 自体は他の OS でも動作します。

救出したあと、SSD はどうすればいいですか?

救出したデータを確認し、別の場所にもバックアップしてから、消去・再利用するかを判断します。F3 での検証で問題が出た場合や、読み取りエラーが続く場合は、メーカーの診断ツールでの確認や保証の相談をおすすめします。

ダウンロード

APFS Rescue for Mac v1.0.0

ファイルapfs-rescue-for-mac-1.0.0.zip
配布場所GitHub のリリースページ
ソースコードGitHub
SHA-2562f0788c56a5323a8a38a0762cbff2196238925abde0dd55984ecc5378498994e
動作確認macOS 27.0.1 / Apple シリコン / Python 3.12・3.14
ライセンスMIT License(依存の libfsapfs-python は LGPL-3.0-or-later。ZIP には含まれず、セットアップ時に PyPI から取得)

ダウンロードした ZIP が改ざんされていないかは、次のコマンドで確認できます。表示された値が上の SHA-256 と同じなら問題ありません。

読み取りのみ

shasum -a 256 ~/Downloads/apfs-rescue-for-mac-1.0.0.zip

参考資料

本ツールは無保証です。利用によって生じた損害について、作者は責任を負いません。この記事は、実際のトラブルの記録をもとに、個人情報を含まない形で再構成しています。ツールの出力例は、人工的なテストデータで作成したものです。